今日気になった2つのメッセージです。
武田邦彦教授のコメント(Blogから抜粋)
今まで、国際放射線防護委員会や国内の放射線に関する委員会で常に言われてきたことは、「1年に1ミリ以下」ということだった。
でも、放射線医学の先生が「1年に100ミリまで安全だ」と言われるならば、今までの安全議論はバカらしいもので、私も何を悩んできたのか判らなくなってしまう。
問題は、国内法の改定と並行して、世界的に1年に100ミリで安全だというコンセンサスが取れているのか。
付近住民が100ミリまで被爆してもいいということになると、現在の地震指針にわずかな改正(事故時の対応)だけを加えるだけで国内の原子力発電所は極めて「安全」に運転することができる事になってしまう。
私は今まで放射線医学の専門家が「放射線はあびない方が良い。1年1ミリが限度だ」と言われることを、真実だと理解してきた。
1年間100ミリは大丈夫だと言っているNHK、朝日新聞、そして学者(主に放射線医学)の方は、 なぜ、これまでと180度違うことを言い出したのか?
本当にこれから1年100ミリで大丈夫なのかについて、早急に声明を出して欲しい。
武田邦彦教授(平成23年5月5日 午前11時 執筆)
出展⇒http://takedanet.com/2011/05/post_ca91.html
東電社員のコメント(原文掲載)
私が記者に会社のことを話したことを同僚が知れば、軽蔑されます。そして、会社からは解雇されるでしょう。だから匿名でこのお話をしなければなりません。
私が東電の社員になってもうかなりの年月になります。東電はずっと良い会社だと言われて来ました。しかし今、通勤のため外に出ると、どこもかしこも東電への批判で溢れている。「東電が悪い、東電が悪い、東電が悪い」と。それを見るのが辛いです。何故なら、批判されるべきことがどれ程あるかを私は知っているからです。そのことについてお話しなければならない。申し上げたいのは、事故の責任は確かに東電にもあるが、同様に国にも責任があるということです。
今、メディアでは、東電が原子力発電にしがみついていると言われています。でも、それは事実ではありません。原子力というものを導入し、推進して来たのは国です。福島原発が建設されたとき、その運転における安全基準は曖昧でした。原発を増設することに一生懸命だった政府は、安全よりも産業の発展を重視したのです。
地震や津波に関する新しい学問研究結果は無視されて来ました。2009年に、ある国立研究機関が今回の津波に相当する規模の自然災害を警告しました。しかし、日本原子力安全委員会は取り合いませんでした。
日本ではもともと監査というものは機能していないのです。原子力安全委員会は経産省の下にある組織ですし、経産省は原発の推進を目的としています。一つの同じ機関が原発を推進し、かつ監査もするというのはおかしいと思いませんか。
また、原子力研究者達も産業や原子力委員会と癒着しています。原子力を専門とする学者の世界はとても狭く、皆一緒に研究して来たのです。私はそれを見て来ました。
東電の原子力部門は特殊な部門で、非常に閉鎖的です。「原子力村」と揶揄されているほどです。会社の中にもう一つの会社があるという感じでしょうか。同じ東電の内部でも、原子力村と他の部門の間には業務上ほとんど繋がりがないのです。
この閉鎖的な原子力村の中ではこれまで原発のデータや報告書の内容を隠蔽、改竄、偽造することが許されて来ました。2002年にはそのことが原因で社長および副社長が辞任することになりました。東電の新しい経営者は原子力村を人事異動や再編成で開かれた部署にしようと試みましたが、結局上手く行きませんでした。
この福島の事故をきっかけに東電は整理されなくてはなりません。でなければ会社は存続できないでしょう。
社内の空気は張りつめています。管理職は非常に緊張状態にあります。通常なら会議は一ヶ月に一度ですが、現在は毎朝です。本社だけでなく支社でもです。毎朝、上司から社員達に激励のメールが入ります。
現在、会社全体から社員が福島に送られています。原子力とは全く関係のない部署にいる者もです。事故処理作業をさせられるのです。彼らの多くは、防護服やガスマスクをつけて放射線が飛ぶ場所で作業をした経験などありません。社内メールでよくそういう社員についての情報を目にします。
今までは私の直接知っている人が福島へ派遣されることはなかったのですが、とうとう一人、行くことになりました。自分の意思で行くのではない、と本人から聞きました。命令なのです。そこで何をやらされることになるのか、何も知らされていないそうです。」
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